先日、長野で開催された全日本社会人選手権に、チームの総監督として帯同してきました。
今回はベンチにも入り、特に混合ダブルスで選手たちと一緒に戦いました。コートの外から、そしてベンチの中から見て感じたことを、書き残しておこうと思います。
普段の姿が見えないという前提
私は会社に勤務しながらチームに関わっています。さらにチームの拠点は宇部と東京に分かれています。
そのため、普段の練習から選手のコンディションや、いま何ができて何ができないのかを細かく把握することは、正直なところ簡単ではありません。
それでも、試合の中で選手にできないことを要求したり、一人ひとりの強みと弱みを理解しないまま指示を出したりすることは、コーチングとしてやるべきではないと考えています。
伝えることは、2つか3つに絞る
そこで意識しているのが、本当に大切なポイントだけに絞って、2つか3つのことを繰り返し伝えることです。
限られたインターバルの中で、あれもこれもと伝えても選手の頭には残りません。むしろ迷いを生んでしまいます。
普段を見られていないからこそ、欲張らない。それが、離れた場所にいる指導者としてできる最善だと思っています。
混合ダブルスのベンチで担った役割
今回ベンチに入った混合ダブルスでは、ペアを組む女子選手の中に、私にとって「初めまして」の選手もいました。
まずは打ち解けてもらえるように、試合以外の時間も含めてコミュニケーションをとることを心がけました。
またダブルスでは、選手同士の意思疎通が難しくなる瞬間がどうしてもあります。お互いに言いたいことがあっても、言葉にしづらい場面です。
そんなときは私が間に立ち、それぞれの意見を相手に伝える役割も担いました。
上位ペアに共通していたもの
自チームの選手は、残念ながら上位進出とはなりませんでした。
一方で、勝ち上がっていくペアを見ていて強く感じたことがあります。
男子選手の能力の高さはもちろんです。ただそれ以上に印象的だったのは、女子選手が男子選手に対してしっかりと主張できている、ということでした。
こう動いてほしい、今のはこうしたい。その意思を遠慮せずに伝えられる関係が、上位のペアにはあるように見えました。
「あ・うんの呼吸」は積み重ねの先にある
極上のダブルスを表現するとき、よく「あ・うんの呼吸」という言葉が使われます。言葉を交わさなくても通じ合う、理想のペアの姿です。
けれど私は、それが最初から備わっているものだとは思いません。
お互いに主張し、話し合い、コミュニケーションを重ねた先にたどり着く境地です。黙っていても分かり合える関係は、たくさん話してきた関係からしか生まれません。
妹とペアを組んでいたころの話
私自身も、現役時代に妹と混合ダブルスのペアを組んでいたことがあります。
試合前には必ず作戦会議をし、試合後は毎試合、1時間ほどかけてビデオで振り返り、課題を確認していました。
地味な作業です。けれどそれを繰り返す中で、二人のダブルスのイメージが少しずつ重なっていったのだと思います。
その小さな積み重ねこそが必須なのだと、今回の大会で改めて実感しました。
パートナーに遠慮して、言いたいことを飲み込んでいませんか。まずは一言、自分の考えを伝えてみる。その積み重ねが、いつか「あ・うんの呼吸」につながっていくはずです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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