「伝える側」から、もう一度コートへ|全日本シニアに出る理由

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「伝える側」になってから

選手を指導するようになってから、私は自分の現役時代の経験を言葉にして伝えてきました。選手一人ひとりの特性や気持ちを理解し、想像しながら、ストロングポイントとウィークポイントを見極める。そして試合中の心理状態を踏まえて、その瞬間に届く言葉を選ぶ。それが私のコーチングの軸でした。

実業団チームの指導が一区切りついた今は、そのぶん大人からジュニアまで、さまざまな人にコーチングする機会が増えています。

最近、元サッカー日本代表・戸田和幸さんの『解説者の流儀』を読みました。

選手を引退して「伝える側」に回った戸田さんが、試合の中で選手が何を見て、何を感じているのかを、徹底した準備のうえで言葉にしようとする姿勢が印象に残りました。

読みながら、ふと自分に問いかけました。私が選手にかけている言葉は、今の選手の目線に本当に立てているだろうか。8年前の「現役の自分」の感覚のまま、止まっていないだろうか、と。

なぜ今、全日本シニアなのか

そこで、全日本シニアに出場することを決めました。

目的は結果だけではありません。現役を引退して8年経った今、選手としてコートに戻ったとき、自分はどんな感情になるのか。その自分にどんな言葉をかければ前向きなプレーができるのか。そして、自分はどんな言葉をかけてほしいと感じるのか。それを、身をもって確かめたいのです。

正直に言えば、現役時代よりもずっと多くの言い訳を抱えてプレーする自分が、簡単に想像できます。「仕事が忙しい」「子どもの体調が…」。

でも、それは私が今指導している多くの社会人プレーヤーやジュニアの保護者世代が、まさに抱えている現実でもあります。

100%の準備をしたつもりでも、100%のコンディションでは臨めないであろう大会。その中で、自分がどんな気持ちでコートに立ち、どんなプレーができるのか。そこで感じたことは、きっとこれからのコーチングで、選手にかける一言を変えてくれるはずです。

大会を終えたら、その結果と、コートの上で感じたことを、またここに書きたいと思います。

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この記事を書いた人

 小学1年生からバドミントンを始め、社会人では日立化成で実業団選手としてプレーし、18年間現役選手として競技を行っていた。
 現役引退後は結婚して山口県に移住。富士商きららドームにて小学生向けにバドミントン教室を行っていた。
 現在は山口県宇部市のジュニアクラブ等で指導している。

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